こんな方に向けた記事です
宿泊税を非課税の商品としてPOSに登録する方法はすでに分かっていて、次は月々の集計・申告の進め方を知りたい
免税点以下の宿泊を、集計のときにどう区別すればいいか分からない
POSの売上レポートと、自治体に提出する申告書の様式がどう対応するのか知りたい
結論
宿泊税は「非課税商品として登録する」だけでは終わりません。集計・免税点の区別・申告書への当てはめまでが一連の作業です。
押さえる順番はこの3ステップです
※本記事は、宿泊税を非課税商品としてPOSに登録済みであることを前提にしています。登録方法は「【2026最新】宿泊税へのPOSレジ対応・領収書区分記載を解説|スマレジ・Airレジの設定と補助金」で解説しています。
目次
宿泊税は「商品登録」の次に、もう一段階の作業がある
宿泊税をスマレジ・Airレジ・Squareに非課税の商品として登録し、レシートに区分印字できるようにする方法は、「【2026最新】宿泊税へのPOSレジ対応・領収書区分記載を解説|スマレジ・Airレジの設定と補助金」で解説しています。本記事はその続きとして、登録した宿泊税を、どう月次集計し、自治体への申告書に落とし込むかという運用フェーズだけを掘り下げます。
宿泊税は、宿泊施設が宿泊者から徴収したうえで、翌月末までに自治体へ「納入申告書」とその内訳である「月計表」を提出する仕組みです。東京都の記載例を見ると、月計表には日付ごとに、税率区分別の宿泊数(例:課税対象100円の宿泊数・課税対象200円の宿泊数)と、課税免除となった宿泊数を並べて記載する形式になっています。
スマレジ・Airレジ・Squareの売上レポートで宿泊税を集計する方法
宿泊税を非課税商品として登録していれば、各POSの標準的な売上レポート機能だけで、期間を指定した集計を出せます。追加の集計ソフトを契約しなくても、以下の標準機能で代用できます。
スマレジ
「商品別売上管理画面」と「日報/月報」(スタンダードプラン含む全プランで利用可能)で、期間を指定した商品別の集計をCSV・PDFで出力できます(help.smaregi.jp「商品別売上管理画面」「店舗の日報/月報を確認する」で確認)。
Airレジ
「商品別売上の確認方法」の画面で、商品ごと・期間指定の売上集計を確認できます(faq.airregi.jp「商品別売上の確認方法」で確認)。
Square
「レポート」>「売上」のカテゴリ別売上・カスタムレポートで、期間を指定した集計を作成できます(squareup.com公式ヘルプで確認)。
いずれも「宿泊税」専用の機能ではなく、商品ごとの売上を期間集計する一般的なレポート機能です。他の商品と混同しないよう、宿泊税の商品名は紛れない名称(例:「宿泊税」「宿泊税_200円」等)で統一しておくと、月末の抽出作業が楽になります。
免税点以下の宿泊を、区別して記録する方法
前章で触れたとおり、月計表には課税免除となった宿泊数も記載する欄があります。つまり、免税点以下の宿泊を「単に宿泊税を取らなかった」で終わらせず、免除件数として数えておく必要があります。
この「課税対象の宿泊」と「免税点以下の宿泊」は、それぞれ別の方法で区別して記録することになります。
税率区分ごとに商品を分けて登録する
単一の「宿泊税」ではなく、自治体の税率区分(例:200円・400円・1,000円等)ごとに別々の商品として登録します。スマレジの公式FAQでも「サービス料は商品として登録すれば対応可能」と案内されており、宿泊税のような追加料金を商品として扱うこと自体は標準的な使い方です。会計時に、その宿泊の料金帯に合う区分を選ぶだけで、売上レポート上でも区分ごとの件数が自動的に分かれます。
一方、免税対象の宿泊については、0円の商品を登録して件数を残すという方法は、どのPOSの公式ヘルプにも記載がなく、確認が取れませんでした。POS側の機能に頼るよりも、宿泊台帳(予約管理システムやチェックイン記録)側で免税対象の宿泊件数を数える方が確実です。これなら契約POSのプランや仕様に左右されず、どのPOSを使っていても同じ運用ができます。
この運用を徹底すれば、月末は「売上レポート(課税対象分の内訳)」と「予約台帳(免税対象分の件数)」の2つを確認するだけで、月計表に必要な数字がすべて揃います。
集計結果を、自治体の「月計表」の様式に当てはめる
宿泊税の月計表は自治体ごとに様式が異なりますが、第1章で触れた「日付×税率区分別の宿泊数×課税免除×合計」という構成を踏まえれば、課税対象分は前章で登録した商品ごとにPOSの売上レポート(日別・商品別)から、免税対象分は予約台帳の集計から、それぞれこの様式の列に当てはめて転記できます。
| 月計表の項目 | POSレポートでの対応項目 |
|---|---|
| 日付 | 売上レポートの取引日 |
| 税率区分別の宿泊数(例:200円・400円等) | 区分ごとに分けて登録した「宿泊税」商品の、日別の販売点数 |
| 課税免除の宿泊数 | POSレポートには含まれないため、予約台帳から別途集計した件数を転記 |
| 合計 | 各区分の件数・金額の合算(表計算ソフトで集計) |
※この対応表は東京都の記載例をもとにした一般的な考え方であり、様式の項目名・区分の数は自治体によって異なります。かならず自施設が所在する自治体の最新の様式・記載の手引きを確認してください。
POSからCSVで書き出したデータを、自治体の月計表のExcel様式にそのまま貼り付けられる形に整えておくと、毎月の転記作業を仕組み化できます。
STORESレジを使っている場合の代替運用
STORESレジは公式ヘルプで非課税商品の取り扱いに対応していないことが明言されており、ここまでの「商品登録を使った集計」の方法はそのままでは使えません。「【2026最新】宿泊税へのPOSレジ対応・領収書区分記載を解説|スマレジ・Airレジの設定と補助金」で触れたとおり、レシートとは別に宿泊税額のみを記載した預り証を発行する運用で対応することになります。
この場合、集計もPOSのレポートに頼れないため、チェックイン時点の宿泊人数・泊数・適用税率を、予約管理システムや宿泊台帳側に記録しておき、月末に手作業で集計する運用が必要になります。宿泊件数が多い施設では、この手作業の負担が無視できない可能性があるため、STORESレジを使いながら宿泊税対応エリアで営業する場合は、他のPOSへの切り替えも含めて検討する価値があります。
よくある質問
Q. 自治体の月計表の様式は、どこで見つけられますか?
A. 多くの自治体は「宿泊税 特別徴収事務の手引き」といった名称のPDFの中に、申告書・月計表の様式とその記載例をまとめて掲載しています。自治体の公式サイト内検索で「宿泊税」に加えて「様式」「手引き」といった言葉を組み合わせて探すと見つけやすいです。
Q. 免税対象の宿泊数を数えるのに、何か楽になるコツはありますか?
A. 多くの予約管理システムには、宿泊料金帯で予約を検索・絞り込みできる機能があります。月末にこの機能で免税点未満の予約だけを抽出すれば、1件ずつ予約台帳をめくって数える手間を減らせます。お使いの予約管理システムに検索・絞り込み機能があるか確認してみてください。
Q. 申告納入の期限に特例はありますか?
A. 自治体によっては、3か月分をまとめて申告できる特例が用意されています(東京都・宮城県など)。該当する場合は専用の様式・申請が必要になるため、所在自治体の案内を確認してください。
Q. 複数拠点のホテルチェーンでも、同じ集計方法を使い回せますか?
A. 施設の所在自治体によって税率区分・免税点が異なる場合があるため、商品登録の内容(区分の数・金額)は施設ごとに個別で設定する必要があります。集計の手順そのものは共通化できますが、設定値は使い回せない点に注意してください。
まとめ
宿泊税の対応は、非課税商品としてレジに登録した時点で終わりではありません。本記事で扱った内容を振り返ると、押さえるべき判断根拠は次の3つです。
集計は追加ソフトがなくても、標準レポートで足りる
スマレジ・Airレジ・Squareとも、商品別の期間集計は標準機能で確認済みです。わざわざ別のソフトを契約する前に、今使っているPOSの機能を確認してください。
免税点以下の宿泊も、件数として残す設計にする
「税金を取らない」だけでなく、免除件数も記録しておかないと、月計表の様式に合わせられません。これはPOSの商品登録では代用できないため、予約台帳側で数える運用を最初から前提にしておくと、月末になって慌てずに済みます。
様式は自治体ごとに違うことを前提に、都度確認する
POSのレポートと月計表の対応関係は考え方として使い回せますが、項目名や区分の数は自治体ごとに異なります。複数拠点を運営している場合は特に、施設ごとの様式差を軽視しないことが重要です。
集計の仕組みさえ最初に作っておけば、毎月の作業は「レポートを開いて転記する」だけに単純化できます。
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