2026年11月1日、訪日外国人向けの消費税免税制度が「購入時免税方式」から「リファンド方式」に切り替わります。この記事は、すでにPOSレジ・レシートプリンターを導入している店舗オーナーが「自分の店は何をすればいいのか」を30秒で判断できるよう整理したものです。
状況別の結論
免税販売を行っている店舗(11月1日の施行に向けた準備として)→ パスポートのMRZ(機械読み取り部分)に対応したバーコードリーダーの用意が必要です。レシートプリンター本体は現行モデルのままで対応できます(下記2機種はすでに税込印字に対応済みです)。
免税販売を行っていない国内向けのみの店舗 → プリンター本体の入れ替えは不要です。POSレジ側の消費税設定を一度確認しておけば対応は完了します。
すでに11月1日を過ぎている場合 → 承認送信事業者・リファンド事業者との契約状況、POSレジの課税設定変更が完了しているかを最優先で点検してください。
2026年11月の免税リファンド方式移行がレシート印字に与える影響
これまでは、免税店で訪日外国人が購入する際、その場で消費税を差し引いた金額で販売していました。11月1日以降は、一度税込価格で販売し、旅行者本人が出国時に税関で還付を受ける仕組みに変わります。
店舗側の対応は大きく分けて4点です。POSレジの販売設定を「課税販売」に変更すること、税込金額を明示したレシートを発行できる状態にしておくこと、パスポートのMRZを読み取れるバーコードリーダーを用意すること、そして承認送信事業者またはリファンド事業者と契約を結ぶことです。
正直なところ、この制度は名前が「消費税改正」のように聞こえるせいか、レシートプリンター本体を買い替えないといけないと誤解している店舗オーナーからのお問い合わせを何件かいただいています。実際に確認すると、税込印字自体は現行機種のほとんどがすでに対応済みで、詰まっているのは「POSレジの設定変更」と「パスポート読み取り機器の有無」の2点であるケースがほとんどでした。プリンターの買い替えありきで考える前に、まずこの2点を疑ってみることをお勧めします。
上記4点のうち①②はすべての店舗、③④は免税販売を行う店舗のみが対象です。
①のPOSレジ課税設定は、各社の管理画面から次のページで変更できます。「各社にご確認ください」で済ませず、変更後は必ずテスト印字で確認してください。
- スマレジ:基本税率の設定(help.smaregi.jp)
- Airレジ:お店で利用する消費税の税率を設定する(faq.airregi.jp)
- Square:税金ルールを作成・編集する(squareup.com)
- STORESレジ:消費税はどこで設定できますか?(regi-faq.stores.jp)
スマレジ・Airレジ・Square・STORESレジ別:レシートプリンターの対応状況
使用しているPOSサービスによって、プリンターの設定変更手順や対応可否が異なります。以下は当店が各社公式情報をもとに確認した対応状況です。
| 機種 | スマレジ | Airレジ | Square | STORESレジ |
|---|---|---|---|---|
| mC-Print3(Bluetooth) | ◯ | ◯ | ×※4 | ◯ |
| mC-Print3(LAN) | ◯ | ×※3 | ◯ | × |
| mC-Print3(USB) | ◯ | ◯ | ◯ | ◯※2 |
| TM-m30(Bluetooth) | ◯ | × | △※1 | ◯ |
| TM-m30 III-H(USB) | ◯ | × | △※1 | △※2 |
| TM-m30(LAN) | ◯ | × | ◯ | ×※5 |
| mPOP(Bluetooth) | ◯ | ◯ | △※1 | ◯ |
※1 Square対応は決済端末の種類(スタンド/ターミナル/レジスター/キオスク/リーダー等)により異なります。最新の対応状況はsquareup.com/jp/ja/compatibility/accessories/printersでご確認ください(USB接続の場合、ドロアの自動開閉にはBluetooth接続が必要です)。
※2 STORESレジのUSB接続はTM-m30 III-Hの公式接続ガイドがありますが、ドロアの自動開閉は非対応です(自動開閉にはBluetooth接続が必要)。またiPad版アプリはVer3.11.0以降でのみ対応しており、iPhone版では利用できません。
※3 AirレジはLAN(Ethernet)接続の案内がなく非対応。Bluetooth・USB接続のみ対応です。
※4 SquareはBluetooth接続に非対応です(Ethernet・USB接続のみ対応)。
※5 STORESレジはLAN接続の公式ガイド自体が存在しないため非対応として扱っています。
※ 上記の対応状況は当店が各社公式情報をもとに確認したものです。ファームウェアアップデートやPOSサービスの仕様変更により対応状況が変わる場合があります。ご購入前に最新情報をご確認ください。
スマレジ: help.smaregi.jp / Airレジ: faq.airregi.jp / Square: squareup.com/jp/ja/compatibility / STORESレジ: regi-faq.stores.jp
消費税改正への対応という観点では、プリンター本体の入れ替えよりも「接続方式の確認」が先決です。特にSquareをターミナルで運用している店舗は、Bluetooth接続のプリンターが動作しないため、USB接続への切り替えかLAN対応機種の検討が必要になります。レシートプリンターについては、TM-m30 III-HがLAN・Bluetooth・USBの3接続方式に対応し、スマレジ・Square・STORESレジいずれでも動作確認が取れているため、これらのPOSサービス間での乗り換えや複数拠点への追加導入時にも選びやすい機種です(Airレジは公式対応プリンター一覧に掲載がなく対象外です)。まとめてご検討の場合は在庫状況を含めて商品ページで確認しておくと、導入時期の調整がしやすくなります。
免税販売店舗が今のうちに揃えておきたい機器
リファンド方式の施行前後を問わず、免税販売を行う店舗にとってパスポートスキャンは実務上の必須要件です。バーコードリーダーがMRZ(機械読み取り領域)に対応しているかどうかが判断の分かれ目になります。
当店へのお問い合わせでも、既存のバーコードリーダーがパスポートのMRZに対応しているかを確認するケースが増えています。個人的には、免税販売店舗はプリンター本体の確認より先に、このパスポートリーダーの手配を優先すべきだと考えています。11月1日の施行当日になって在庫切れに気づく、というのが一番避けたい事態だからです。
1次元・2次元コードの読み取りに加え、白色照射モデルはパスポートMRZ(機械読み取り領域)の読み取りにも対応しています(赤色照射モデルは非対応です)。Bluetooth接続でスマレジとの相性も確認済みです。施行日が近づくほど問い合わせが集中しやすいため、対象店舗は早めの確認をおすすめします。
よくある質問
Q. 現在使っているTM-m30(旧モデル)は2026年の消費税改正後もそのまま使えますか?
税込金額の印字自体はTM-m30の既存モデルでも対応しています。問題になるのはプリンター本体ではなく、接続しているPOSレジの課税設定が正しく変更されているかです。設定変更後にテスト印字を行い、税込金額が正しく出力されることを確認してください。
Q. 免税販売をしていない店舗は、2026年の制度改正でレシートプリンターを変える必要はありますか?
免税販売を行っていない場合、プリンター本体の入れ替えは必要ありません。POSレジ側の消費税設定を確認するだけで対応は完了します。レシートの消費税表示形式(内税・外税・税率明記)については、現行の適格請求書等保存方式(インボイス制度)の要件を満たしているかを改めて確認してください。なお、免税購入者は購入日の翌日から起算して90日以内に出国時の税関確認を受ける必要があり、期限内に確認を受けられない場合は免税は成立せず通常課税として扱われます。
Q. リファンド方式への対応に必要なパスポートリーダーは、STORESレジでも使えますか?
STORESレジ公式の対応周辺機器一覧では、バーコードスキャナーはSocket Scan S700・S720・BSH-20Uのみが対応機種とされており、SocketScan S740は掲載がありません。S740でのパスポート読み取りをSTORESレジと組み合わせたい場合は、導入前にSTORESレジのサポート窓口へ動作可否を直接ご確認ください。
Q. Squareを使っています。mPOPはリファンド対応後も使い続けられますか?
mPOPのBluetooth接続はSquareの決済端末の種類によって対応状況が異なります。Squareターミナルまたはハンディを使っている場合、Bluetoothでは動作しないためUSB接続への切り替えを検討してください(ただしUSB接続の場合、ドロアの自動開閉にはBluetooth接続が必要になる点にご注意ください)。
Q. STORE STOREで販売しているレシートプリンターには保証がありますか?
当店で販売するTM-m30 III-Hなどの対象機種には、発送日より1年間の先出しセンドバック保証を原則としています。障害通知から3営業日以内に代替機を発送する対応をお約束しており、制度対応の切り替えタイミングで機器トラブルが発生した際の業務停止リスクを抑えられます。
関連記事
2026年消費税改正への対応は、プリンター本体より「設定と接続方式」の確認が先決です。
免税販売を行う店舗はパスポートリーダーの追加が必要になります。使用中のPOSサービスと接続方式に合った機種を、STORE STOREの商品ページで確認できます。11月の施行日が近づくほど問い合わせが集中しやすいため、対応が必要な店舗は早めの確認をおすすめします。
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